【徹底解説】リスティング広告の運用で抑えておきたいポイントまとめ

リスティング広告を運用をする場合、成果改善につながる重要なポイントや、改善するべき優先順位を理解しておく必要があります。

ポイントを抑えておくことで、リスティング広告の成果を効率よく改善することが出来、改善ポテンシャルが残っているかも判断しやすくなります。

今回はリスティング広告の運用を担当している方へ、『効率よく成果を改善するための考え方』を解説します。

リスティング広告が配信される仕組み

リスティング広告の成果改善を行うためには、リスティング広告を見ているユーザーや、広告配信が行われる仕組みを知っておくことが大切です。

  • リスティング広告を見ているユーザーの特徴

リスティング広告では『ユーザーの検索キーワード』を予測してターゲティングを行い、『検索直後のユーザー』へ広告を配信します。

検索キーワードに表れているユーザーが知りたい情報(=ニーズ)に対して、今まさに知りたいと思っているタイミングで広告を配信出来る点が、リスティング広告の特徴です。

この特徴を考えると、ユーザーが検索して知りたいと思っていることに対して『適切な訴求(=情報提供)』を行うことが非常に重要です。

ユーザーは調べている事とは関係のない広告を目にしても、「広告の情報よりも、今調べていることを先に知りたい。」と考えると予測でき、広告はクリックされない可能性が高いです。

まずは、検索キーワードごとにユーザーが知りたい情報をイメージしてみましょう

検索キーワードは多種多様なため、その中から商品やサービスに対してニーズを持っていそうなキーワードを選定し、ニーズにマッチした広告(=情報)を提供することが大切です。

  • リスティング広告が配信される仕組み

多くの検索キーワードの場合、リスティング広告の掲載面には複数の企業が、広告配信を行っています。

実際には、広告掲載されているよりも更に多くの企業の広告アカウントが、広告配信を希望しています。

リスティング広告では、広告配信を希望している企業の広告アカウントの中から、オークション制によって『広告配信の権利』を獲得した企業の広告アカウントのみ、広告を配信する事ができます。

さらに、広告を掲載する順番もオークション制によって順位付けされています。

『オークション制』という仕組みによって、広告掲載出来るかどうかと、掲載できる順位が決まります。

このオークションでは『広告ランク』という指標が使われ、広告ランクが高い企業の広告は優先して配信が行われます。

リスティング広告を配信するためには高い広告ランクを獲得し、同じ検索キーワードへ広告配信を希望している他の企業に、オークションで勝つ必要があります。

よって、リスティング広告の成果改善を行う際も、広告ランクを高めるための施策などを行うことが重要となります。

リスティング広告の運用ポイント

リスティング広告の運用について、重要なポイントを解説します。

リスティング広告の運用では非常に多くの指標を活用し、分析を行って日々成果改善を行いますが、ここでは運用ポイントの中でも特に重要なポイントを2つに絞って解説します。

  • 重要な2つのポイント

リスティング広告の運用の中でも、特に重要なポイントは次の2つです。

  1. キーワード選定
  2. アカウント構成

上記2つについて問題がある場合、自動入札機能の活用や広告文の検証などの他の施策の効果が出にくくなる可能性が高い状態となっています。

よって、問題がないか注意深く確認することをおすすめします。

  • 重要ポイント①:キーワード選定

リスティング広告を配信する上で、重要な要素の1つが『ターゲティング』です。

売上などを増やすときの前提となる考え方ですが、『商品やサービスを紹介したとしても購入(または申込み)をしないユーザー』へ広告を配信しても効率よく売上を獲得することは出来ません。

リスティング広告では、商品やサービスに興味を持っている可能性のあるユーザーが検索するキーワードを想定し、そのキーワードに対して広告を配信することが重要です。

このキーワード選定が、リスティング広告におけるターゲティングとなります。

つまりキーワード選定を間違ってしまうということは、ターゲティングを間違うことになり、商品やサービスを購入(または申込み)する可能性が低いユーザーに広告を配信することになります。

キーワード選定の際には、商品やサービスに興味を持っているかどうかだけでなく、ニーズの強さを考えることも大切です。

検索されるキーワードの中には「ちょっと調べて見ようかな。」といったような潜在的なニーズを持ったキーワードもあれば、「購入したい。」と考えている顕在的なニーズを持ったキーワードまで様々です。

一般的に、顕在的なニーズを持っているユーザーが検索するキーワードほどコンバージョン率が高くなるため、顕在層が検索するキーワードから順番に広告配信対象のキーワードとして選択することが多いです。

顕在層が検索するキーワードは売上に繋がりやすいキーワードが多く、(特に予算が少額の期間は)注力して広告配信することで効率よく売上を増やすことが出来ます。

リスティング広告で効率よく売上を拡大するためには、費用対効果が高い検索キーワードへ優先的に予算を投下し、売上が拡大してきたタイミングで徐々に潜在層が検索するキーワードを広告配信対象として選択することをおすすめします。

  • キーワード選定の具体的な方法

キーワード選定の際は、『ユーザーの購入(または申込み)までの検索キーワードの遷移』をイメージする事をおすすめします。

コンバージョンが発生するキーワードは【〇〇 購入】というような具体的なニーズを持ったキーワードの場合がほとんどですが、このように検索するユーザーもコンバージョンするまでに何度か検索を行うことで情報収集しているケースがほとんどです。

キーワード選定の際は、『ユーザーが購入に至るまでに行う検索キーワードと流れ』をイメージし、最後の方の検索キーワードから順に広告を配信するキーワードとして選択します。

最終的な購入というゴールから離れるほどコンバージョン獲得は難しくなりますが、商品やサービスを求めているか判断が難しいキーワードへも、いずれは広告配信を行う必要があります。

理由としては、具体的なニーズの検索キーワードは検索ボリュームが少ない事が多く、該当のキーワードから獲得出来るコンバージョン数には限界があるためです。

抽象的なニーズの検索キーワードはコンバージョン率が低くなりやすく、コンバージョン単価も高い傾向がある一方で、検索ボリュームは多いためコンバージョン獲得のポテンシャルも大きくなっています。

検索ボリュームの多いキーワードへ広告配信を行って売上を拡大させるという意味でも、まずは検索行動の最後の方にある『購入や申込みに近いニーズが具体的なキーワード』から順に広告配信を行うことをおすすめします。

  • 重要ポイント②:アカウント構成

リスティング広告では検索キーワードに合わせて、ユーザーの興味を引くことが出来る広告文を配信し、ユーザーが求めている情報を知ることが出来るランディングぺージへ誘導することが大切です。

このマッチングを行うための重要な要素が、アカウント構成です。

キーワード選定に問題がない場合でもアカウント構成に問題があれば、リスティング広告の成果が出せない事があります。

アカウント構成を適切に整備することで、検索キーワードと広告文、ランディングぺージをそれぞれマッチさせて広告配信することが出来ます。

推奨されているアカウント構成としては、Googleが推奨しているHagakure(ハガクレ)という考え方が有名です。

Hagakure(ハガクレ)では『検索キーワードにマッチした広告文やランディングぺージを配信する』というシンプルな考え方でアカウント構成を作成することを推奨しています。

Googleが推奨しているHgakureに沿ったアカウント構成を作成することで、費用対効果が高くなる様々なメリットを受けることが出来ます。

先ほど解説した広告ランクの構成要素である『品質スコア』を高めるためにも、検索キーワードと広告、そしてランディングページのマッチングを高めることが非常に重要です。

品質スコアを高めることによって、広告ランクが高まり、低い入札単価でも広告の配信ボリュームを増やすことが出来るなど、リスティング広告の成果に直結する様々なメリットを受けることが出来ます。

リスティング広告の運用の始め方

これからリスティング広告を配信しようと思っている方、または開始してから配信期間が短い方へ、リスティング広告の配信開始初期に重要なポイントを解説します。

すでに配信開始して時間が経過している方も、「現在の運用で重要なポイントへの対応は十分に出来るているか?」という気持ちで是非内容を確認してみて下さい。

  • 商品やサービスに興味を持ってくれそうなユーザーをイメージする

キーワード選定とアカウント作成を行うためには、商品やサービスを購入してくれるユーザーをイメージする必要があります。

ユーザーをイメージすることで、商品やサービス名以外のキーワードもイメージする事ができ、ニーズを持っているユーザーが検索するキーワードの登録漏れも小さくすることが出来ます。

また、インターネット上には似たような商品がたくさんあるため、ユーザーは複数の商品を比較検討することが一般的です。

商品やサービスの魅力を適切に伝えることが出来なければ、リスティング広告を配信したとしても購入してくれる可能性が低くなり、広告の費用対効果も低くなります。

商品やサービスに興味を持ってもらうためにも、ユーザーの立場になって考える事が非常に重要です。

  • ユーザーに訴求する広告・ランディングページの情報を整理

ユーザーをイメージすることで、ユーザーが検索によって知りたいこと(=解決したいこと)を予測することが出来ます。

ユーザーの知りたいことに合わせて広告やランディングページの訴求内容を工夫することで、リスティング広告の費用対効果を高めるためのクリック率やコンバージョン率などの指標を改善することが出来ます。

考えた訴求内容が、ユーザーにとって(競合他社の訴求よりも)魅力的なものか確認するためにも、キーワードを検索して競合他社の訴求内容も合わせて整理しておくことをおすすめします。

  • レポーティング環境を構築

リスティング広告の運用にとって、広告配信の開始はゴールではありません。

リスティング広告では、仮説を立てて成果改善を行うための施策を継続的に行うことが大切です。

仮説を立てるためには分析作業が必要になり、データ集計やデータ整理を行う必要があります。

リスティング広告の成果を改善するためには、仮説の精度を高めつつ、より多くの施策を実施する必要があります。

しかし、よくある成果改善が出来ないパターンとして、分析作業に多くの時間を使ってしまうことがあります。

分析作業は大切ですが、分析作業ばかりを行い、成果改善の施策を行えないような状態では継続的に成果改善を実現することが難しくなります。

よって、レポーティング環境を適切に整備しておくことが大切です。

少ない時間で作成でき、データが整理出来ているレポーティング環境があれば、分析作業の多くの時間を節約することが出来ます。

最初から完璧なレポーティング環境を作成することは難しいですが、「今後、頻繁に確認しそうなデータは何か?」とイメージしておくことは重要です。

例えば、地域ごとの実績や商品カテゴリごとの実績を頻繁に確認する可能性が高ければ、それぞれのカットでデータを整理しておくことが大切です。

また、時間軸の観点でも月別、週別、日別と分ける事ができますが、可能であればデータの最小単位は『日別』にしておくことをおすすめします。

広告配信の開始や、入札強化などの施策は日別の実績でもインパクトを確認することが出来るので、このような施策を行ったときも日別のデータがあれば、別のレポートを作成しなくても実績を確認することができます。

まとめ

この記事では、リスティング広告に関する運用のポイントについて解説しました。

運用のポイントを抑えることで、リスティング広告から効率よく売上を獲得することが出来ます。

まずは運用の中でも特に重要なポイントを先に対応してから、広告文やランディングページなど時間がかかる施策にチャレンジすることをおすすめします。