リスティング広告のキーワードの選び方と注意点【初学者向け】

リスティング広告においてキーワードの登録漏れが発生している場合、コンバージョン獲得の大きな機会損失になります。

なぜなら、検索キーワードと関連性があるキーワードを登録できていない場合、広告を配信することが出来ない可能性が高いためです。

しかし、キーワードの登録漏れに気づくことは難しく、少しテクニックが必要です。

今回は、リスティング広告のキーワードの登録漏れに気づくための具体的な方法を紹介します。

「キーワードの登録漏れなんて起こしていない。」と思っている方も、『これまで気づけなかったキーワード』を見つけることが出来る可能性もあるため、ぜひ一度記事の内容を確認してみて下さい。

また、これからリスティング広告の配信を検討している方や、広告代理店に運用を任せている方にとっても、有益な気づきを得ることが出来る内容になっています。

リスティング広告のキーワード登録漏れを見つける考え方

リスティング広告のキーワードの登録漏れがないか探すための方法は、次の3つの要素に整理することが出来ます。

  • 自社のデータを確認する。
  • リスティング広告を出稿している競合他社の情報を確認する。
  • 商品やサービスを求めているユーザーの検索行動を確認する。

一般的には、『自社・競合他社・市場』の3C分析と言われる整理方法です。

リスティング広告のキーワードを選ぶ時にも、3C分析の考え方を使うことが出来ます。

  • 自社のデータを使って確認する

リスティング広告で登録しているキーワードのマッチタイプが部分一致やフレーズ一致になっている場合、キーワードが拡張することで『登録キーワードと関連がある検索キーワード』へ広告が配信されます。

また、リスティング広告以外にも自然検索(=SEO)などの情報を確認することで、ランディングページ以外のページも含めて、自社の商品やサービスに興味を持っているユーザーの検索について知ることが可能です。

リスティング広告の配信実績は注意深く確認している運用者が多い一方で、自然検索などの他の領域のデータを確認出来ていない方は意外に多いため、他の領域のデータを確認することで新しい発見に繋がることも珍しくありません。

さらに、自社内に同じような商品やサービスがあれば、コンバージョン獲得できているキーワードなどの情報収集を行うことで、有益な情報を知ることが出来るケースもあります。

特に広告代理店などでは、自社内にて有益な情報が見つかることも多いため、積極的に情報収集を行うことも大切です。

  • リスティング広告を出稿している競合他社の情報を確認する

同じような商品やサービスでリスティング広告を配信している競合他社の情報を確認することも重要です。

競合他社の情報は、Similarwebのようなツールを利用するか、広告媒体から可能な範囲で情報を開示してもらう方法が一般的です。

自社データや市場データの調査と比べると少しハードルは高いですが、コンバージョンが獲得できるキーワード以外にも『自社でコンバージョンが取れているが、競合他社ではあまりコンバージョンが取れていないキーワード』などを知ることも出来ます。

自社と競合他社のコンバージョン獲得できるキーワードの差分を知ることで、自社の商品やサービスを求めているユーザーの検索意図を深掘りすることができます。

さらに、ペルソナの作成を行って検索行動をイメージすれば、新しい検索キーワードを見つけるヒントを得ることも可能です。

この点は、競合他社のキーワード調査の大きなメリットです。

  • 商品やサービスを求めているユーザーの検索行動を確認する

リスティング広告のキーワードを選ぶときにも、設定したペルソナ属性を持つユーザーの検索行動をイメージすることは重要です。

現在は、Googleのキーワードプランナーなどの無料ツールを使うことで、ユーザーが検索しているキーワードを簡単に調べることが出来ます。

ツールも非常に優秀であり、主要キーワードについて調べることで関連性のあるキーワードについても知ることが出来ます。

ただし、ユーザーの検索キーワードは多種多様なため、「自分だったらどんなキーワードで情報収集をするだろう?」と考えることや、実際にペルソナを持っている人にヒアリングすることで登録漏れがないか確認する作業も重要です。

リスティング広告のキーワードを選ぶ手順

キーワードを選ぶ際には、自分ひとりで考えるのではなく、他の運用者や媒体社を巻き込んで情報収集する事が重要です。

3Cの要素のどれから調査を行っても特に問題はありませんが、「自分ひとりで探してみたが、漏れているキーワードがないか心配なのでアドバイスが欲しい。」と伝えてから、他の運用者や媒体社にサポートしてもらった方が、良いアドバイスがもらえる可能性が高くなります。

まずは、3Cの各要素の中から自分ひとりで調べられる範囲で情報収集を行ってみてください。

リスティング広告のキーワード登録漏れを防ぐ方法5選

ここでは、リスティング広告で『コンバージョン獲得できるキーワード』の登録が漏れていないか確認するための具体的な方法を5つ紹介します。

キーワードの登録漏れはコンバージョンの大きな機会損失になるため、紹介する内容全てに対応できているか確認してみてください。

  • 方法1:サーチコンソールにて自然検索(=SEO)での流入キーワードを確認

リスティング広告の運用者の中で、自然検索(=SEO)の情報まで確認できている運用者は少ない印象です。

自然検索では、購入や申込みなどのコンバージョンに直結しないようなキーワードへの対策を行っていることも多いですが、自然検索の流入キーワードを確認することで『サイトを訪れたユーザーが知りたい情報』をより幅広く知ることができます。

また、複数の商品を取り扱っているECサイトの場合などは、最も多くのユーザーが求めている商品を知ることで、優先的にキーワードを拡張するべき商品を判断することも可能です。

リスティング広告の実績だけでなく自然検索の流入キーワードを確認することで、より広い視点で『サイトがユーザーに提供している価値』を理解することが出来、キーワードの登録漏れにも気づくことが出来ます。

  • 方法2:自社内で似た商品やサービスの出稿キーワードを集める

類似した商品やサービスで、リスティング広告を運用しているアカウントのキーワード情報も確認してみましょう。

このような情報収集を行っている運用者は多いと思いますが、情報収集の際に注意するべき点が1つあります。

情報収集を行うときは、コンバージョンが取れていないキーワードや、すでに停止してしまったキーワードも合わせて確認しましょう。

理由としては、同じような商品やサービスを扱っていても、企業によって顧客となるターゲットやペルソナ属性が異なる可能性があるためです。

コンバージョン獲得できているキーワードのみを対象として情報収集を行うと、『他の企業ではコンバージョン獲得できなかったが、自社ならコンバージョン獲得できるキーワード』が情報収集の段階で漏れてしまう可能性があります。

コンバージョン獲得できる可能性があるキーワードを探すためにも、コンバージョン獲得できたキーワード以外の情報も集めるようにしましょう。

  • 方法3:Googleなどの広告媒体社から情報を共有してもらう

媒体社は、広告代理店よりも更に多くの情報を持っています。

しかし、広告媒体社は広告主のアカウントの情報を、他の企業にすべて公開することが出来ません。

よくある失敗例として、「コンバージョンが取れているキーワードを教えて欲しい。」とダイレクトに質問してしまい、情報提供を断られるケースです。

よって、競合他社の情報を提供してもらうためには少しテクニックが必要です。

情報を提供してもらうためのおすすめのテクニックとしては、「競合他社が広告配信しているが、自社では配信出来ていない検索キーワードについて知りたい。」という伝え方をする方法です。

広告媒体社は、広告主に広告出稿する予算を増やしてもらうことがミッションのため、「アプローチ不足のキーワードがあれば、そのキーワードへの出稿を検討する。」という伝え方をすると情報提供をしてくれる可能性があります。

少しテクニックが必要ですが試してみる価値は十分にあるため、広告媒体社から情報提供してもらえるように交渉してみることをおすすめします。

  • 方法4:SEO上位のコンテンツの中から関連性のあるキーワードを探す

ユーザーは商品購入やサービスへの申込みを行うまでに、複数回キーワードを検索して意思決定することが一般的です。

多くのユーザーは、「〇〇 おすすめ」や「〇〇 とは」というようなニーズが抽象的なキーワードから検索行動を開始し、「〇〇 購入」や商品名などの指名キーワードで検索してコンバージョンに至ります。

この情報収集の過程で、ユーザーはいくつかのサイトページを閲覧していますが、今見ているページの中から『次に検索するキーワード』を選んでいることもあります。

例えば、ダイエットサプリについて調べる際に、まずは「ダイエット サプリ おすすめ」などで検索を行います。

するとSEOの上位には、複数のダイエットサプリを紹介したコンテンツページが表示されます。

これらのページを確認すると、次のようなことを知ることが出来ます。

  • 年齢によってダイエットに効果のある成分が異なる。
  • 特定保健用食品かどうか気にする必要がある。
  • 腸内環境が悪いことがダイエットの効果を下げる要因になる。

検索ユーザーはこれらの情報を知ることで、購入までに自分自身で知っておくべき情報を整理して、不足している情報に対して情報収集するために、連続して検索を行います。

よって、ユーザーが実際に見ているページを確認することで、ユーザーが知りたいと思う可能性が高いキーワード(=次に検索するキーワード)をイメージしやすくなります。

ユーザーが検索するキーワードをコンテンツの中から探すことによって、登録するべきキーワードをかなり具体的に、かつユーザー視点に立ってイメージすることが出来ます。

  • 方法5:ツールを使って検索市場を調べる

検索市場の調査に利用できる無料ツールは複数あります。

一般的によく使われるツールは次の2つです。

  • Googleキーワードプランナー
  • ラッコキーワード

Googleキーワードプランナーでは、調べたキーワードに関連するキーワードを調べられるだけでなく、各キーワードの月間検索ボリュームや競合性などの情報も合わせて調べることが出来ます。

ラッコキーワードでは、特定のキーワードのサジェストキーワードを調べることが可能です。

2つのツールを活用することで、ユーザーの検索キーワードや知りたい情報を具体的にイメージすることが可能です。

また、これまでに紹介した方法1~4で新しく見つける事が出来たキーワードについて、ツールを使ってより幅広く検索キーワードを探すことで、キーワードの登録漏れはかなり解消することが出来ます。

まとめ

検索キーワードを3C分析の観点で整理することによって、キーワードの登録漏れはかなり解消することが出来ます。

情報収集は自分ひとりで行うのでなく、周りの運用者なども巻き込みながら情報収集を行うことが大切です。

キーワードの登録漏れを解消するだけで獲得コンバージョンの件数を増やすことが出来、リスティング広告の成果を大きく改善する事ができることもあります。

今回紹介した方法を参考に、コンバージョン獲得できるキーワードの登録漏れがないか確認してみてください!