リスティング広告

Google広告のオークション分析とは?活用方法や便利なモニタリング環境の整備方法を紹介

リスティング広告で、新しくアカウントを作成して運用を開始する場合、広告費用を計算する必要があります。

業界やサービス・商品によって適切な広告費用は異なりますが、適切な広告費用の計算を間違えると様々な問題が発生します。

今回は、業界やサービスに関わらずリスティング広告の費用を計算するための考え方と、一般的に開始時に設定される広告予算の相場をご紹介します。

リスティング広告費用の計算方法

リスティング広告の費用を計算する方法は様々です。

広告費用を計算するには『目標コンバージョン単価』などの指標を使う必要がありますが、企業によっては目標コンバージョン単価が決まっていないという場合も(珍しいですが)あります。

この後解説する計算方法や考え方を身に着けておくことで、『まずは目標コンバージョン単価を決める』ということを広告主と一緒に考えることも出来るようになります。

ここではレベル別に、リスティング広告の広告費用を計算する方法を3つ解説します。

・目標コンバージョン数をもとに計算する方法(初級)

・目標とする利益を使って計算する(中級)

・目標コンバージョンに合わせた広告費用(上級)

目標コンバージョン数をもとに計算する方法(初級)

広告費用の計算方法の中で最も一般的で簡単な方法は、目標としているコンバージョン数をベースに計算する方法です。

『コンバージョンの目標件数が100件』のように、コンバージョン数を目標としている場合には有効な方法です。

広告費用を計算する場合は、目標コンバージョン単価を加えて、【コンバージョン数 × 目標コンバージョン単価】で計算します。

目標としているコンバージョン数が既にあり、更に1件あたりのコンバージョン単価の目安があれば、簡単に広告費用を計算する事ができます。

例えば100件のコンバージョンを、1件あたり2,000円で獲得したい場合の広告費用は【100件×2,000円=200,000円】となります。

非常に簡単に計算できる方法ですが、この計算式は『目標コンバージョン単価を高く設定するほど、多くのコンバージョンが獲得できる』というリスティング広告の特性を考慮していません。

獲得する事ができるコンバージョン数は目標コンバージョン単価と強く関係しており、より多くのコンバージョン数を獲得しようとすればするほど、コンバージョン単価は上昇します。

いくつかの広告費用に合わせて、コンバージョン単価がどのように変化するのか?といった算出をする場合は、この後紹介する『上級』の方法で計算する必要があります。

目標とする利益を使って計算する(中級)

目標コンバージョン単価が決まっていない場合は、こちらの方法で『目標コンバージョン単価を計算する』ことをおすすめします。

広告主側で目標とするコンバージョン単価が決まっていない場合でも、広告費用対効果のROASやROIなどの指標には基準があることが多いため、計算する前にそれらの指標をヒアリングしておくことをおすすめします。

ただし、ROASやROIが高いとしても合計の利益がたったの1万円しか出せないような場合は、わざわざ時間と人件費を掛けてリスティング広告を配信するとは考えにくいです。

よって、ROASやROIの話の流れで、『目標とする利益』がどの程度必要なのかヒアリングすると、スームズに広告主から回答をもらうことが出来ます。

具体的な計算方法を紹介するために、『リスティング広告を配信し、30万円の利益を得る』ことを目標としているケースで解説します。

まずは、『コンバージョン1件あたりの目標利益』を考えます。

例えば、コンバージョンが発生した後のサービスや商品を提供するための人件費などを考えると、コンバージョンを獲得する段階で2,500円の利益が必要だとします。

そして、仮に1件あたりの売上を10,000円とします。

ここまでの情報を一度整理します。

  • リスティング広告で獲得する利益の目標額は30万円
  • コンバージョン1件あたりの必要な利益は2,500円
  • コンバージョン1件あたりの売上は10,000円

これらの数値を使って、目標コンバージョン単価を計算します。

目標コンバージョン単価とは、言い換えれば『利益を残すために使える費用』であり、【売上 ー 利益】で計算できます。

つまり【10,000円ー2,500円=7,500円】で計算することが出来ます。

よって、7,500円が目標コンバージョン単価になります。

次に、広告費用を計算します。

広告費用は、【目標の利益 ÷ コンバージョン1件あたりの必要な利益 × 目標コンバージョン単価】で計算することが出来ます。

つまり【300,000円÷2,500円×7,500円】で計算することが出来、900,000円となります。

整理すると、30万円の利益を得るためには90万円の広告費用が必要という結果になります。

ちなみに90万円を使った際の獲得売上は120万円(=売上1万円のコンバージョンが120件)のため、売上から広告費用を引くと30万円の利益が残る計算になります。

目標コンバージョンに合わせた広告費用(上級)

リスティング広告では、目標コンバージョン単価に合わせて獲得できるコンバージョン数が変化します。

理由は広告配信をするキーワードごとにコンバージョン単価が異なり、それぞれのキーワードごとに検索されるボリューム(=広告配信出来るボリューム)が決まっているためです。

コンバージョン単価が安いキーワードから順に広告を配信しますが、コンバージョンの目標数を『コンバージョン単価が低いキーワード』のみで達成できない場合は、ある程度コンバージョン単価の高いキーワードへも広告を配信する必要性が出てきます。

よってコンバージョン数の目標が高ければ高いほど、コンバージョン単価は高くなります。

この特性を考慮し、『目標コンバージョン単価内でコンバージョン獲得できる広告費用』を計算することが大切です。

目標コンバージョン単価をもとに、予算を計算する方法は次のとおりです。

  1. 【目標コンバージョン単価 × 業界平均コンバージョン率】で基準クリック単価を計算
  2. 基準クリック単価をもとにキーワードを選定
  3. 【キーワードの月間検索ボリューム × 業界平均クリック率】で想定クリック数を計算
  4. 広告費用と予測コンバージョン数を計算

ステップごとに1つづつ解説します。

  • 【目標コンバージョン単価 × 業界平均コンバージョン率】で基準クリック単価を計算

まずはキーワード選定を行うために、基準クリック単価を計算します。

基準クリック単価を計算することで、リスティング広告を配信しても利益の出せそうなキーワードと利益が出る可能性が低いキーワードを見分けることが出来ます。

計算には、目標コンバージョン単価と業界平均コンバージョン率を使います。

業界平均コンバージョン率の参考値は、『WordStream』が各業界の平均コンバージョン率を開示しているのでこちらを使います。

各業界の平均コンバージョン率・平均クリック率(WordStream)

ただしコンバージョン率は業界だけでなく、商材やランディングページのデザインなど様々な要素によって変化するため、必ず業界平均に近い数値になるわけではありません。

あくまで参考値として使用する、ということを忘れないでください。

もしも同じ業界の過去実績などのデータがあれば、そちらを使っても問題ありません。

そして、コンバージョン率の参考値を使って『基準クリック単価』を計算します。

例えば、目標コンバージョン単価が3,000円、業界平均コンバージョン率が3%の場合の基準クリック単価の計算は次のようになります。

【3,000円(目標コンバージョン単価)×3%(コンバージョン率)=90円(基準クリック単価)】

  • 基準クリック単価をもとにキーワードを選定。

次に基準クリック単価(例 90円)を使って、リスティング広告を配信するキーワードを選びましょう。

先程計算した基準クリック単価の90円はあくまで基準のため、基準値より高いキーワードでも選定キーワードに含めることは可能です。

理由としては、実際に広告配信するときに低い入札単価を設定できるという点と、配信するキーワードの中にはクリック単価が低いキーワードも含まれているため、選択したキーワード全体でのクリック単価の平均値を90円程度に調整することは十分に可能なためです。

ただしクリック単価の予測値と比べて設定入札単価が低すぎる場合、広告配信が行なえないことが多いため、基準値の2倍以上のキーワードの扱いには注意が必要です。

基準値よりも2倍以上のキーワードは登録は行っても、次のステップで行う予算計算のキーワードには含めないことをおすすめします。

理由は入札単価が低すぎることで実際には配信出来ないキーワードを予算の計算に含めないためです。

配信するキーワードを選んだり、各キーワードのクリック単価などを調べる方法としてはGoogleが提供しているキーワードプランナーの活用をおすすめします。

  • 【キーワードの月間検索ボリューム × 業界平均クリック率】で想定クリック数を計算

(Googleキーワードプランナーなどで)選定したキーワードの月間検索ボリュームを計算した後は、業界平均クリック率を使って『想定クリック数』を計算しましょう。

業界別の平均クリック率は先程も紹介した『WordStream』か、または実績ベースで参照出来るデータがあれば活用しましょう。

各業界の平均コンバージョン率・平均クリック率(WordStream)

  • 広告費用と予測コンバージョン数を計算

最後に、広告費用と想定コンバージョン数を計算します。

計算式はそれぞれ次の通りです。

【予算 = 想定クリック数 × 基準クリック単価】

【コンバージョン数 = 想定クリック数 × 業界平均コンバージョン率】

計算の手順としては多いですが、以上の計算を行うことで目標コンバージョン単価で獲得することができるコンバージョン数を具体的にイメージする事ができます。

また、計算したコンバージョン数が少ない場合は、目標コンバージョン数を達成するために必要な対応などもイメージしやすくなります。

リスティング広告の費用対効果を改善するポイント

リスティング広告開始時はあまり大きな広告費用を使わずに、成果に合わせて徐々に投下する費用を増やしていくのが一般的です。

よって、最初の方は『少額でも効率よく売上と利益を増やしていくための運用』が必要です。

ここでは、リスティング広告の費用対効果を高めるためのポイントについて解説します。

  • 検索キーワード・広告文・ランディングページをすべてマッチさせる

費用対効果を高めるためには、商品を購入する可能性が高いユーザーを1人でも多く、ストレスなく購入まで誘導することが大切です。

そのために、リスティング広告では自社の商品を求めているユーザーが検索するキーワードを考え、可能な限り費用対効果を下げてしまうような検索キーワードへは広告を出稿しないようにすることが重要です。

そして、広告を配信するキーワードを絞った状態で、想定したサービスや商品を求めているユーザーが反応しそうな広告文と、購入する際の不安などを解消するランディングページへ誘導します。

この導線をきちんと整理すれば、リスティング広告の費用対効果を大きく改善することが出来ます。

多くの成果を出せていないリスティング広告では、自社のサービスや商品を求めてるユーザーが検索するキーワードを具体的にイメージ出来ておらず、広告文やランディングページでのコミュニケーションに問題があります。

広告費用が少ない場合は、広告を配信するユーザーを絞り込むことが大切になるため、特にキーワード選定には時間をかけて、慎重に選定する事をおすすめします。

  • 専門的な知識を学び、活用する

リスティング広告の運用では、対応するべき業務は非常に多いです。

そして、これらの業務を行うためには一定の専門的な知識が必要になります。

例えば、適切なアカウント構成の作成や調整、機械学習を使った自動入札機能の活用などです。

専門的な知識を学び、必要な対応を取ることができていれば、運用レベルを上げることが出来、成果が改善する可能性も高くなります。

リスティング広告費用の相場

リスティング広告を開始する場合の相場なども把握しておきましょう。

相場よりも低い金額で開始した場合、データボリュームが少なく分析が難しくなるなどの理由で、素早く効果改善することが出来ない可能性があります。

運用者にとっての基礎知識として、覚えておきましょう。

  • リスティング広告開始時の費用相場は20~30万円

リスティング広告を始める際の費用相場は、20~30万円程度です。

リスティング広告は1,000円から始めることが出来ますが、分析するためのデータを一定数確保するために、20万円から30万円程度から始める企業が多くなっています。

広告代理店に運用などを依頼する場合の最低出稿金額も20~30万円程度で設定されているため、リスティング広告の配信を開始する場合は相場金額も参考にするといいでしょう。

リスティング広告の運用代行の手数料

広告代理店に運用など外注する場合は、手数料が発生します。

この手数料の相場は『20%』となっており、例えば100万円の広告費を使う場合の手数料は20万円になります。

手数料は広告費の金額に関係なく一定となっており、100万円でも1,000万円でも20%という比率は変わりません。

リスティング広告の運用では、自社運用と広告代理店への外注のうち、どちらかを選択します。

自社運用の場合は人件費、外注の場合は手数料という形でリスティング広告の運用のための費用が発生します。

まとめ

今回はリスティング広告の費用の計算方法について解説しました。

計算方法は様々ですが、細かく計算をすることで実績との差分をより正確に分析することができ、次に同じような計算をする時に精度を高めることも出来ます。

また、計算が外れたときにも広告主に対して、説明責任を果たしやすくなることで信頼感を得ることも出来ます。

広告主との信頼関係を築くためにも、ぜひレベルの高い方法で広告費用を計算してみて下さい。

リスティング広告のアカウント構成について。利益を増やすために重要な考え方

リスティング広告の運用において、成果に大きく影響を与える要素の1つがアカウント構成です。

アカウント構成を見直し、適切に設計することで大きく成果を改善できるケースも珍しくありません。

アカウント構成については、GoogleがHagakure(ハガクレ)と呼ばれる推奨構成について周知していますが、売上と利益の増加や、運用オペレーションの観点を含めると、プラスアルファの工夫が必要になります。

今回は、Hagakureなどのアカウント構成に関するベースとなる要素を抑えつつ、効率的にリスティング広告で売上と利益を増やすことが出来る運用ノウハウについて解説します。

リスティング広告の運用者だけでなく、運用を外注している広告主の方にとっても参考になる内容となっているため、最後までぜひご覧ください。

リスティング広告のアカウント構成とは

アカウント構成は、次の5つの要素で構成されています。

  • アカウント
  • キャンペーン
  • 広告グループ
  • 広告(と広告表示オプション)
  • キーワード

上から順に大きな階層となっており、リスティング広告ではキャンペーンの階層から配信実績に影響する様々な設定を行うことが可能です。

アカウント設計とは、ビジネスや広告配信の目的に合わせてこれらの要素を使って組み立てを行い、各階層ごとに設定を行うことです。

  • アカウント構成の役割

リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使っているユーザーが、キーワードを検索したときに広告を配信することができる広告メニューです。

リスティング広告では、ユーザーが検索したキーワードである『検索ニーズ』に対応している広告やランディングページを配信することによって、コンバージョンを獲得できる可能性が高くなり、費用対効果も高くなります。

逆に、検索ニーズにマッチしていない広告やランディングページを配信してしまうと、コンバージョンにつながらず、費用対効果が悪化する可能性が高くなります。

アカウント構成を適切に設計することが出来ていれば、検索ニーズに対して、適切な広告やランディングページを配信することが可能です。

多種多様な検索ニーズに対して、適切な広告やランディングページを配信できるようにコントロールすることが、アカウント構成の重要な役割となります。

リスティング広告のアカウント構成を作成するポイント

成果を出すことが出来るアカウント構成を作成するポイントは複数あります。

ここでは、媒体が推奨しているHagakureに加えて、広告主のビジネス拡大と、運用効率を改善するための工夫も合わせて解説します。

  • 広告媒体が推奨するHagakure(ハガクレ)

Hagakure(ハガクレ)とは、Googleがコーポレートサイトで掲げている思想を「リスティング広告」に当てはめた考え方です。
https://about.google/?hl=ja

Hagakureの考え方において、ユーザーが求めている情報(=ユーザーの検索キーワード)と関連性のある広告とランディングページを配信出来ているかどうかが重要となります。

例えば、【スニーカー】と検索したユーザーに対しては、【スニーカー】について関係があると知らせるための広告と、【スニーカー】について販売(または紹介)しているサイトをランディングページに設定する必要があります。

このように検索キーワードと配信する広告、そしてランディングページをマッチさせることが出来るアカウント構成を設計することが重要となります。

Hagakureに沿った構成にすることで、入札価格が低くても広告が配信されやすくなる等の広告主にとってメリットが発生するようなアルゴリズムを媒体も組んでいるため、リスティング広告の成果を改善できる可能性も高くなります。

  • 利益ベースで検索ニーズをカテゴリ分けする

リスティング広告では、コンバージョン数とコンバージョン単価の2つの指標をKPIとして運用しているケースが非常に多いです。

ただしコンバージョンの中には、利益率の高いコンバージョンもあれば、逆に利益率の低いコンバージョンもあります。

業界やビジネスモデルによって、コンバージョンごとに価値が異なる要素は様々ですが、コンバージョンの価値が変化する要素を広告運用者も理解しておく必要があります。

コンバージョンの価値が異なる要素を理解することで、利益を増やすためのアカウント構成を考えることが出来ます。

コンバージョンの価値が異なる要素は、次の2つのデータに注目することで探すことが出来ます。

  • 属性データ
  • 行動データ

属性データでは、ユーザーの住んでいる地域、年齢や性別などの変化する可能性が低いデータに注目します。

一方で行動データでは、コンバージョンするまでに閲覧しているページなどの行動ベースのデータに注目します。

ユーザーごとの属性や、行動によってコンバージョンの価値に差が出ているのかを分析することで、利益を多く獲得できるコンバージョンを具体的にイメージすることが可能です。

  • コンバージョン率(CVR)の高い属性の切り出し

リスティング広告では、購入やサービス申込みのニーズが具体的な検索キーワードほど、コンバージョン率が高い傾向にあります。

費用対効果を維持しつつ売上拡大していくためには、コンバージョン率が高いキーワードから順に十分なアプローチをすることが大切です。

具体的な方法としては、コンバージョン率が高いキーワードをある程度の配信ボリュームを担保できる粒度で、広告グループとして切り出しておくことです。

広告グループとして切り出す理由は、自動入札機能で調整できる最小単位が広告グループとなっているためです。

コンバージョン率が高いキーワードと、低いキーワードが同じ広告グループにまとめられている場合、コンバージョン率が高いキーワードのみを入札強化することが難しくなります。

コンバージョン率が高いキーワードを、費用対効果が高く維持できる範囲で最大限配信できるように、該当のキーワードは別の広告グループに分けて管理しておくことをおすすめします。

リスティング広告のアカウント構成の作成手順

アカウント構成は、次の手順で作成(再構築)を行います。

  1. 広告主の売上構成のポートフォリオを確認。
  2. 広告グループを分けるカテゴリを決定。
  3. 配信ボリュームが少なすぎる広告グループがないか確認。
  4. 予算、分析効率の観点を含めキャンペーンにまとめる広告グループを決定。
  • 広告主の売上構成のポートフォリオを確認

アカウント構成を作成する上で、まずはじめに確認するべきは広告主のビジネスの売上構成のポートフォリオです。

売上構成の分け方として、扱う商品が複数であれば商品やサービスのカテゴリ分けが一般的ですが、1つの商品やサービスを取り扱う場合でも、エリアや年齢などで売上を分解することが出来ます。

売上構成が大きいカテゴリや、利益率の高いカテゴリを理解することは広告主のビジネスを理解する上でも重要なステップになります。

  • 広告グループを分けるカテゴリを決定

広告主のビジネスの売上構成を理解したあとは『コンバージョンの期待売上(または利益)が異なる要素』の観点に加えて、検索ニーズごとに広告グループを作成します。

そして、広告グループごとに整理した検索ニーズに合わせて、検索ニーズとマッチしたキーワードを選定します。

登録するキーワードを選ぶ際に、利益率の高いカテゴリや全体売上に対して高い比率を占めているカテゴリを把握しておくと、キーワードを拡張させる優先順位も決めやすくなります。

利益率が高い要素から順にキーワードを拡張させることで、キーワード拡張による費用対効果が悪化するリスクを抑えることが出来ます。

配信ボリュームが少なすぎる広告グループがないか確認

広告グループごとに登録するキーワードが整理できたあとは、広告グループ単位で配信ボリュームが少なすぎるものが無いか確認しておきましょう。

キーワードごとの検索ボリュームは、Googleのキーワードプランナーなどのツールを使って調査します。

広告グループ単位で配信ボリュームが少なすぎる場合、広告が十分に配信出来ない可能性が高くなります。

配信ボリュームが少ない場合、動的検索広告(DSA)やアドカスタマイザーやキーワード挿入機能などを活用して該当の広告グループをまとめる事が出来ないか考えてみましょう。

  • 予算、分析効率の観点を含めキャンペーンにまとめる広告グループを決定

整理をした広告グループを、予算と分析の観点を含めてキャンペーン単位でまとめます。

広告予算を、エリアや商品ごとに別々で管理している場合、予算の分け方に合わせてキャンペーンを整理することをおすすめします。

オペレーションの観点からも、キャンペーン単位で予算の管理を行った方が、広告費の超過などのトラブルが起きるリスクを下げる事ができます。

また、頻繁に実績の進捗を確認する要素が事前にわかっていれば、キャンペーン単位で整理しておくことで分析作業を効率的に行うことが可能です。

例えば、商品ごとのカテゴリだけでなく、商品と商標キーワード(=指名キーワード)のかけ合わせキーワードの実績を頻繁に確認する必要がある場合は、商標キーワードのキャンペーンは別にして管理することで、管理画面上ですぐに実績の分析を行うことが出きます。

一方で、キャンペーンを商品カテゴリで分け、各キャンペーンの配下に商品と商標キーワードのかけ合わせキーワードの広告グループを作成してしまうと、管理画面上で分析するには少し手間がかかります。

日々の分析作業を効率化することも運用者にとっては重要なスキルとなるため、今後自分が行う分析作業をイメージし、キャンペーンとして何をまとめるかを意識しながらアカウント構成を作成しましょう。

リスティング広告のアカウント構成の注意点

リスティング広告を作成する際の注意ポイントを2つ紹介します。

ポテンシャルを正しく把握したり、分析作業の可能性を広げるためにもアカウント作成時点で対応しておくことをおすすめします。

  • 検索ニーズごとに広告グループは細かめに分けておく

過去の配信実績がない状態でアカウント構成を1から作成する場合は、検索ニーズごとに広告グループを細かく分けてアカウント構成を作成することをおすすめします。

アカウント構成を作成する段階の調査で「少し配信ボリュームが少ないかもしれない。」と思っても、実際に広告配信をしてみると十分な配信ボリュームを担保できるケースは珍しくありません。

また、広告グループを細かくするデメリットも確かにありますが、大雑把にまとめてしまうよりも、より検索ニーズにマッチした広告やランディングページを配信できるというメリットもあります。

広告配信直後に、クリック率やコンバージョン率が下がってしまうリスクを可能な限り回避するためにも、最初は細かく広告グループを分けておくことをおすすめします。

まずは配信を行い、実際に配信ボリュームが少ないと把握できたあとに、キーワードを拡張したり、他の広告グループと統合することをおすすめします。

  • パラメーターはキーワード単位で設定する

GoogleAnalyticsなどのパラメーターを使って実績を分析する事が多いですが、パラメーターは細かい粒度で設定していた方が分析を行う際に便利です。

設定の手間が少しかかりますが、キーワード単位でユニークのパラメーターを設定しておくことをおすすめします。

「実際のコンバージョンがどのような検索キーワードによって発生したのか知りたい。」などの要望は、広告主の方から頻繁に質問されるため、少しでも正確な回答をするための準備としても有効です。

まとめ

リスティング広告のアカウント構成について、コンバージョン数だけでなく広告主の売上や利益を増やすために重要となる考え方について解説しました。

コンバージョンが増やせても、広告主の売上や利益が増えていなければ広告の成果を評価することが出来ません。

逆に、売上や利益を増やすことを意識して運用する事ができれば、コンバージョンが増えたときに売上や利益を増やすことができ、広告主からの信頼を獲得しやすくなります。

ビジネスや売上構成を把握することで、広告主の戦略にマッチさせた運用を行うことも出来るため、ぜひ今回解説した内容を参考にチャレンジしてみてください。

リスティング広告のキーワードの選び方と注意点【初学者向け】

リスティング広告においてキーワードの登録漏れが発生している場合、コンバージョン獲得の大きな機会損失になります。

なぜなら、検索キーワードと関連性があるキーワードを登録できていない場合、広告を配信することが出来ない可能性が高いためです。

しかし、キーワードの登録漏れに気づくことは難しく、少しテクニックが必要です。

今回は、リスティング広告のキーワードの登録漏れに気づくための具体的な方法を紹介します。

「キーワードの登録漏れなんて起こしていない。」と思っている方も、『これまで気づけなかったキーワード』を見つけることが出来る可能性もあるため、ぜひ一度記事の内容を確認してみて下さい。

また、これからリスティング広告の配信を検討している方や、広告代理店に運用を任せている方にとっても、有益な気づきを得ることが出来る内容になっています。

リスティング広告のキーワード登録漏れを見つける考え方

リスティング広告のキーワードの登録漏れがないか探すための方法は、次の3つの要素に整理することが出来ます。

  • 自社のデータを確認する。
  • リスティング広告を出稿している競合他社の情報を確認する。
  • 商品やサービスを求めているユーザーの検索行動を確認する。

一般的には、『自社・競合他社・市場』の3C分析と言われる整理方法です。

リスティング広告のキーワードを選ぶ時にも、3C分析の考え方を使うことが出来ます。

  • 自社のデータを使って確認する

リスティング広告で登録しているキーワードのマッチタイプが部分一致やフレーズ一致になっている場合、キーワードが拡張することで『登録キーワードと関連がある検索キーワード』へ広告が配信されます。

また、リスティング広告以外にも自然検索(=SEO)などの情報を確認することで、ランディングページ以外のページも含めて、自社の商品やサービスに興味を持っているユーザーの検索について知ることが可能です。

リスティング広告の配信実績は注意深く確認している運用者が多い一方で、自然検索などの他の領域のデータを確認出来ていない方は意外に多いため、他の領域のデータを確認することで新しい発見に繋がることも珍しくありません。

さらに、自社内に同じような商品やサービスがあれば、コンバージョン獲得できているキーワードなどの情報収集を行うことで、有益な情報を知ることが出来るケースもあります。

特に広告代理店などでは、自社内にて有益な情報が見つかることも多いため、積極的に情報収集を行うことも大切です。

  • リスティング広告を出稿している競合他社の情報を確認する

同じような商品やサービスでリスティング広告を配信している競合他社の情報を確認することも重要です。

競合他社の情報は、Similarwebのようなツールを利用するか、広告媒体から可能な範囲で情報を開示してもらう方法が一般的です。

自社データや市場データの調査と比べると少しハードルは高いですが、コンバージョンが獲得できるキーワード以外にも『自社でコンバージョンが取れているが、競合他社ではあまりコンバージョンが取れていないキーワード』などを知ることも出来ます。

自社と競合他社のコンバージョン獲得できるキーワードの差分を知ることで、自社の商品やサービスを求めているユーザーの検索意図を深掘りすることができます。

さらに、ペルソナの作成を行って検索行動をイメージすれば、新しい検索キーワードを見つけるヒントを得ることも可能です。

この点は、競合他社のキーワード調査の大きなメリットです。

  • 商品やサービスを求めているユーザーの検索行動を確認する

リスティング広告のキーワードを選ぶときにも、設定したペルソナ属性を持つユーザーの検索行動をイメージすることは重要です。

現在は、Googleのキーワードプランナーなどの無料ツールを使うことで、ユーザーが検索しているキーワードを簡単に調べることが出来ます。

ツールも非常に優秀であり、主要キーワードについて調べることで関連性のあるキーワードについても知ることが出来ます。

ただし、ユーザーの検索キーワードは多種多様なため、「自分だったらどんなキーワードで情報収集をするだろう?」と考えることや、実際にペルソナを持っている人にヒアリングすることで登録漏れがないか確認する作業も重要です。

リスティング広告のキーワードを選ぶ手順

キーワードを選ぶ際には、自分ひとりで考えるのではなく、他の運用者や媒体社を巻き込んで情報収集する事が重要です。

3Cの要素のどれから調査を行っても特に問題はありませんが、「自分ひとりで探してみたが、漏れているキーワードがないか心配なのでアドバイスが欲しい。」と伝えてから、他の運用者や媒体社にサポートしてもらった方が、良いアドバイスがもらえる可能性が高くなります。

まずは、3Cの各要素の中から自分ひとりで調べられる範囲で情報収集を行ってみてください。

リスティング広告のキーワード登録漏れを防ぐ方法5選

ここでは、リスティング広告で『コンバージョン獲得できるキーワード』の登録が漏れていないか確認するための具体的な方法を5つ紹介します。

キーワードの登録漏れはコンバージョンの大きな機会損失になるため、紹介する内容全てに対応できているか確認してみてください。

  • 方法1:サーチコンソールにて自然検索(=SEO)での流入キーワードを確認

リスティング広告の運用者の中で、自然検索(=SEO)の情報まで確認できている運用者は少ない印象です。

自然検索では、購入や申込みなどのコンバージョンに直結しないようなキーワードへの対策を行っていることも多いですが、自然検索の流入キーワードを確認することで『サイトを訪れたユーザーが知りたい情報』をより幅広く知ることができます。

また、複数の商品を取り扱っているECサイトの場合などは、最も多くのユーザーが求めている商品を知ることで、優先的にキーワードを拡張するべき商品を判断することも可能です。

リスティング広告の実績だけでなく自然検索の流入キーワードを確認することで、より広い視点で『サイトがユーザーに提供している価値』を理解することが出来、キーワードの登録漏れにも気づくことが出来ます。

  • 方法2:自社内で似た商品やサービスの出稿キーワードを集める

類似した商品やサービスで、リスティング広告を運用しているアカウントのキーワード情報も確認してみましょう。

このような情報収集を行っている運用者は多いと思いますが、情報収集の際に注意するべき点が1つあります。

情報収集を行うときは、コンバージョンが取れていないキーワードや、すでに停止してしまったキーワードも合わせて確認しましょう。

理由としては、同じような商品やサービスを扱っていても、企業によって顧客となるターゲットやペルソナ属性が異なる可能性があるためです。

コンバージョン獲得できているキーワードのみを対象として情報収集を行うと、『他の企業ではコンバージョン獲得できなかったが、自社ならコンバージョン獲得できるキーワード』が情報収集の段階で漏れてしまう可能性があります。

コンバージョン獲得できる可能性があるキーワードを探すためにも、コンバージョン獲得できたキーワード以外の情報も集めるようにしましょう。

  • 方法3:Googleなどの広告媒体社から情報を共有してもらう

媒体社は、広告代理店よりも更に多くの情報を持っています。

しかし、広告媒体社は広告主のアカウントの情報を、他の企業にすべて公開することが出来ません。

よくある失敗例として、「コンバージョンが取れているキーワードを教えて欲しい。」とダイレクトに質問してしまい、情報提供を断られるケースです。

よって、競合他社の情報を提供してもらうためには少しテクニックが必要です。

情報を提供してもらうためのおすすめのテクニックとしては、「競合他社が広告配信しているが、自社では配信出来ていない検索キーワードについて知りたい。」という伝え方をする方法です。

広告媒体社は、広告主に広告出稿する予算を増やしてもらうことがミッションのため、「アプローチ不足のキーワードがあれば、そのキーワードへの出稿を検討する。」という伝え方をすると情報提供をしてくれる可能性があります。

少しテクニックが必要ですが試してみる価値は十分にあるため、広告媒体社から情報提供してもらえるように交渉してみることをおすすめします。

  • 方法4:SEO上位のコンテンツの中から関連性のあるキーワードを探す

ユーザーは商品購入やサービスへの申込みを行うまでに、複数回キーワードを検索して意思決定することが一般的です。

多くのユーザーは、「〇〇 おすすめ」や「〇〇 とは」というようなニーズが抽象的なキーワードから検索行動を開始し、「〇〇 購入」や商品名などの指名キーワードで検索してコンバージョンに至ります。

この情報収集の過程で、ユーザーはいくつかのサイトページを閲覧していますが、今見ているページの中から『次に検索するキーワード』を選んでいることもあります。

例えば、ダイエットサプリについて調べる際に、まずは「ダイエット サプリ おすすめ」などで検索を行います。

するとSEOの上位には、複数のダイエットサプリを紹介したコンテンツページが表示されます。

これらのページを確認すると、次のようなことを知ることが出来ます。

  • 年齢によってダイエットに効果のある成分が異なる。
  • 特定保健用食品かどうか気にする必要がある。
  • 腸内環境が悪いことがダイエットの効果を下げる要因になる。

検索ユーザーはこれらの情報を知ることで、購入までに自分自身で知っておくべき情報を整理して、不足している情報に対して情報収集するために、連続して検索を行います。

よって、ユーザーが実際に見ているページを確認することで、ユーザーが知りたいと思う可能性が高いキーワード(=次に検索するキーワード)をイメージしやすくなります。

ユーザーが検索するキーワードをコンテンツの中から探すことによって、登録するべきキーワードをかなり具体的に、かつユーザー視点に立ってイメージすることが出来ます。

  • 方法5:ツールを使って検索市場を調べる

検索市場の調査に利用できる無料ツールは複数あります。

一般的によく使われるツールは次の2つです。

  • Googleキーワードプランナー
  • ラッコキーワード

Googleキーワードプランナーでは、調べたキーワードに関連するキーワードを調べられるだけでなく、各キーワードの月間検索ボリュームや競合性などの情報も合わせて調べることが出来ます。

ラッコキーワードでは、特定のキーワードのサジェストキーワードを調べることが可能です。

2つのツールを活用することで、ユーザーの検索キーワードや知りたい情報を具体的にイメージすることが可能です。

また、これまでに紹介した方法1~4で新しく見つける事が出来たキーワードについて、ツールを使ってより幅広く検索キーワードを探すことで、キーワードの登録漏れはかなり解消することが出来ます。

まとめ

検索キーワードを3C分析の観点で整理することによって、キーワードの登録漏れはかなり解消することが出来ます。

情報収集は自分ひとりで行うのでなく、周りの運用者なども巻き込みながら情報収集を行うことが大切です。

キーワードの登録漏れを解消するだけで獲得コンバージョンの件数を増やすことが出来、リスティング広告の成果を大きく改善する事ができることもあります。

今回紹介した方法を参考に、コンバージョン獲得できるキーワードの登録漏れがないか確認してみてください!

【徹底解説】リスティング広告の運用で抑えておきたいポイントまとめ

リスティング広告を運用をする場合、成果改善につながる重要なポイントや、改善するべき優先順位を理解しておく必要があります。

ポイントを抑えておくことで、リスティング広告の成果を効率よく改善することが出来、改善ポテンシャルが残っているかも判断しやすくなります。

今回はリスティング広告の運用を担当している方へ、『効率よく成果を改善するための考え方』を解説します。

リスティング広告が配信される仕組み

リスティング広告の成果改善を行うためには、リスティング広告を見ているユーザーや、広告配信が行われる仕組みを知っておくことが大切です。

  • リスティング広告を見ているユーザーの特徴

リスティング広告では『ユーザーの検索キーワード』を予測してターゲティングを行い、『検索直後のユーザー』へ広告を配信します。

検索キーワードに表れているユーザーが知りたい情報(=ニーズ)に対して、今まさに知りたいと思っているタイミングで広告を配信出来る点が、リスティング広告の特徴です。

この特徴を考えると、ユーザーが検索して知りたいと思っていることに対して『適切な訴求(=情報提供)』を行うことが非常に重要です。

ユーザーは調べている事とは関係のない広告を目にしても、「広告の情報よりも、今調べていることを先に知りたい。」と考えると予測でき、広告はクリックされない可能性が高いです。

まずは、検索キーワードごとにユーザーが知りたい情報をイメージしてみましょう

検索キーワードは多種多様なため、その中から商品やサービスに対してニーズを持っていそうなキーワードを選定し、ニーズにマッチした広告(=情報)を提供することが大切です。

  • リスティング広告が配信される仕組み

多くの検索キーワードの場合、リスティング広告の掲載面には複数の企業が、広告配信を行っています。

実際には、広告掲載されているよりも更に多くの企業の広告アカウントが、広告配信を希望しています。

リスティング広告では、広告配信を希望している企業の広告アカウントの中から、オークション制によって『広告配信の権利』を獲得した企業の広告アカウントのみ、広告を配信する事ができます。

さらに、広告を掲載する順番もオークション制によって順位付けされています。

『オークション制』という仕組みによって、広告掲載出来るかどうかと、掲載できる順位が決まります。

このオークションでは『広告ランク』という指標が使われ、広告ランクが高い企業の広告は優先して配信が行われます。

リスティング広告を配信するためには高い広告ランクを獲得し、同じ検索キーワードへ広告配信を希望している他の企業に、オークションで勝つ必要があります。

よって、リスティング広告の成果改善を行う際も、広告ランクを高めるための施策などを行うことが重要となります。

リスティング広告の運用ポイント

リスティング広告の運用について、重要なポイントを解説します。

リスティング広告の運用では非常に多くの指標を活用し、分析を行って日々成果改善を行いますが、ここでは運用ポイントの中でも特に重要なポイントを2つに絞って解説します。

  • 重要な2つのポイント

リスティング広告の運用の中でも、特に重要なポイントは次の2つです。

  1. キーワード選定
  2. アカウント構成

上記2つについて問題がある場合、自動入札機能の活用や広告文の検証などの他の施策の効果が出にくくなる可能性が高い状態となっています。

よって、問題がないか注意深く確認することをおすすめします。

  • 重要ポイント①:キーワード選定

リスティング広告を配信する上で、重要な要素の1つが『ターゲティング』です。

売上などを増やすときの前提となる考え方ですが、『商品やサービスを紹介したとしても購入(または申込み)をしないユーザー』へ広告を配信しても効率よく売上を獲得することは出来ません。

リスティング広告では、商品やサービスに興味を持っている可能性のあるユーザーが検索するキーワードを想定し、そのキーワードに対して広告を配信することが重要です。

このキーワード選定が、リスティング広告におけるターゲティングとなります。

つまりキーワード選定を間違ってしまうということは、ターゲティングを間違うことになり、商品やサービスを購入(または申込み)する可能性が低いユーザーに広告を配信することになります。

キーワード選定の際には、商品やサービスに興味を持っているかどうかだけでなく、ニーズの強さを考えることも大切です。

検索されるキーワードの中には「ちょっと調べて見ようかな。」といったような潜在的なニーズを持ったキーワードもあれば、「購入したい。」と考えている顕在的なニーズを持ったキーワードまで様々です。

一般的に、顕在的なニーズを持っているユーザーが検索するキーワードほどコンバージョン率が高くなるため、顕在層が検索するキーワードから順番に広告配信対象のキーワードとして選択することが多いです。

顕在層が検索するキーワードは売上に繋がりやすいキーワードが多く、(特に予算が少額の期間は)注力して広告配信することで効率よく売上を増やすことが出来ます。

リスティング広告で効率よく売上を拡大するためには、費用対効果が高い検索キーワードへ優先的に予算を投下し、売上が拡大してきたタイミングで徐々に潜在層が検索するキーワードを広告配信対象として選択することをおすすめします。

  • キーワード選定の具体的な方法

キーワード選定の際は、『ユーザーの購入(または申込み)までの検索キーワードの遷移』をイメージする事をおすすめします。

コンバージョンが発生するキーワードは【〇〇 購入】というような具体的なニーズを持ったキーワードの場合がほとんどですが、このように検索するユーザーもコンバージョンするまでに何度か検索を行うことで情報収集しているケースがほとんどです。

キーワード選定の際は、『ユーザーが購入に至るまでに行う検索キーワードと流れ』をイメージし、最後の方の検索キーワードから順に広告を配信するキーワードとして選択します。

最終的な購入というゴールから離れるほどコンバージョン獲得は難しくなりますが、商品やサービスを求めているか判断が難しいキーワードへも、いずれは広告配信を行う必要があります。

理由としては、具体的なニーズの検索キーワードは検索ボリュームが少ない事が多く、該当のキーワードから獲得出来るコンバージョン数には限界があるためです。

抽象的なニーズの検索キーワードはコンバージョン率が低くなりやすく、コンバージョン単価も高い傾向がある一方で、検索ボリュームは多いためコンバージョン獲得のポテンシャルも大きくなっています。

検索ボリュームの多いキーワードへ広告配信を行って売上を拡大させるという意味でも、まずは検索行動の最後の方にある『購入や申込みに近いニーズが具体的なキーワード』から順に広告配信を行うことをおすすめします。

  • 重要ポイント②:アカウント構成

リスティング広告では検索キーワードに合わせて、ユーザーの興味を引くことが出来る広告文を配信し、ユーザーが求めている情報を知ることが出来るランディングぺージへ誘導することが大切です。

このマッチングを行うための重要な要素が、アカウント構成です。

キーワード選定に問題がない場合でもアカウント構成に問題があれば、リスティング広告の成果が出せない事があります。

アカウント構成を適切に整備することで、検索キーワードと広告文、ランディングぺージをそれぞれマッチさせて広告配信することが出来ます。

推奨されているアカウント構成としては、Googleが推奨しているHagakure(ハガクレ)という考え方が有名です。

Hagakure(ハガクレ)では『検索キーワードにマッチした広告文やランディングぺージを配信する』というシンプルな考え方でアカウント構成を作成することを推奨しています。

Googleが推奨しているHgakureに沿ったアカウント構成を作成することで、費用対効果が高くなる様々なメリットを受けることが出来ます。

先ほど解説した広告ランクの構成要素である『品質スコア』を高めるためにも、検索キーワードと広告、そしてランディングページのマッチングを高めることが非常に重要です。

品質スコアを高めることによって、広告ランクが高まり、低い入札単価でも広告の配信ボリュームを増やすことが出来るなど、リスティング広告の成果に直結する様々なメリットを受けることが出来ます。

リスティング広告の運用の始め方

これからリスティング広告を配信しようと思っている方、または開始してから配信期間が短い方へ、リスティング広告の配信開始初期に重要なポイントを解説します。

すでに配信開始して時間が経過している方も、「現在の運用で重要なポイントへの対応は十分に出来るているか?」という気持ちで是非内容を確認してみて下さい。

  • 商品やサービスに興味を持ってくれそうなユーザーをイメージする

キーワード選定とアカウント作成を行うためには、商品やサービスを購入してくれるユーザーをイメージする必要があります。

ユーザーをイメージすることで、商品やサービス名以外のキーワードもイメージする事ができ、ニーズを持っているユーザーが検索するキーワードの登録漏れも小さくすることが出来ます。

また、インターネット上には似たような商品がたくさんあるため、ユーザーは複数の商品を比較検討することが一般的です。

商品やサービスの魅力を適切に伝えることが出来なければ、リスティング広告を配信したとしても購入してくれる可能性が低くなり、広告の費用対効果も低くなります。

商品やサービスに興味を持ってもらうためにも、ユーザーの立場になって考える事が非常に重要です。

  • ユーザーに訴求する広告・ランディングページの情報を整理

ユーザーをイメージすることで、ユーザーが検索によって知りたいこと(=解決したいこと)を予測することが出来ます。

ユーザーの知りたいことに合わせて広告やランディングページの訴求内容を工夫することで、リスティング広告の費用対効果を高めるためのクリック率やコンバージョン率などの指標を改善することが出来ます。

考えた訴求内容が、ユーザーにとって(競合他社の訴求よりも)魅力的なものか確認するためにも、キーワードを検索して競合他社の訴求内容も合わせて整理しておくことをおすすめします。

  • レポーティング環境を構築

リスティング広告の運用にとって、広告配信の開始はゴールではありません。

リスティング広告では、仮説を立てて成果改善を行うための施策を継続的に行うことが大切です。

仮説を立てるためには分析作業が必要になり、データ集計やデータ整理を行う必要があります。

リスティング広告の成果を改善するためには、仮説の精度を高めつつ、より多くの施策を実施する必要があります。

しかし、よくある成果改善が出来ないパターンとして、分析作業に多くの時間を使ってしまうことがあります。

分析作業は大切ですが、分析作業ばかりを行い、成果改善の施策を行えないような状態では継続的に成果改善を実現することが難しくなります。

よって、レポーティング環境を適切に整備しておくことが大切です。

少ない時間で作成でき、データが整理出来ているレポーティング環境があれば、分析作業の多くの時間を節約することが出来ます。

最初から完璧なレポーティング環境を作成することは難しいですが、「今後、頻繁に確認しそうなデータは何か?」とイメージしておくことは重要です。

例えば、地域ごとの実績や商品カテゴリごとの実績を頻繁に確認する可能性が高ければ、それぞれのカットでデータを整理しておくことが大切です。

また、時間軸の観点でも月別、週別、日別と分ける事ができますが、可能であればデータの最小単位は『日別』にしておくことをおすすめします。

広告配信の開始や、入札強化などの施策は日別の実績でもインパクトを確認することが出来るので、このような施策を行ったときも日別のデータがあれば、別のレポートを作成しなくても実績を確認することができます。

まとめ

この記事では、リスティング広告に関する運用のポイントについて解説しました。

運用のポイントを抑えることで、リスティング広告から効率よく売上を獲得することが出来ます。

まずは運用の中でも特に重要なポイントを先に対応してから、広告文やランディングページなど時間がかかる施策にチャレンジすることをおすすめします。